第27回湘南・沖縄部 部大会は、2023年10月25日(土)14時~16時 、会場 湘南とつかYMCA+オンライン(ZOOM併用)にて、3部構成にて開催された。
【第一部】講演 14:00~15:00
「ウクライナおよびウクライナからの避難民への支援活動」
① 講師紹介:黒川勝湘南・沖縄部部長
本講演「ウクライナおよびウクライナからの避難民への支援活動」では、オデーサ出身のコヴァリエヴスカ ナタリアさんが講師として招かれた。彼女は、横浜市国際局でウクライナ支援コーディネーターを務めている。この講演は、黒川勝湘南・沖縄部部長の尽力により実現した。黒川部長は、横浜市国際交流協会のウクライナカフェ「ドゥルーズィ」を訪問し、ナタリアさんから詳細な説明を受けた。この経験を基に、今回の部大会で横浜市とウクライナ、特にオデーサとの関係や現状についての講演を依頼し、ナタリアさんは快諾された。
② 講演内容
講師:コヴァリエヴスカ ナタリアさん
略歴:オデーサ国立経済大学卒業後、会計および新規プロジェクト管理に従事。10年前に日本へ来日し、現在は横浜市国際局でウクライナ支援コーディネーターとして活動。
職務内容:ウクライナ現地情報の横浜市への報告、両国メディア対応、避難民支援、横浜市とウクライナ大使館間の連絡・調整、交流カフェ「ドゥルーズィ」とウクライナ支援団体との連携など。
講演では、これらの職務内容に基づく映像資料を交えた説明が行われた。
★ 横浜市とオデーサ市は1965年から姉妹都市関係にあり、過去には東日本大震災時にオデーサ市が横浜市を通じて被災地に寄付した。2021年には廃棄物管理や上下水道分野での技術協力プロジェクトが始まった。しかし、2022年2月のロシアによるウクライナ侵攻直後、横浜市長は非難声明を発表し、市庁舎と全区役所に募金箱を設置した。YMCAは避難民の日本での生活開始を支援した。
横浜市は「オール横浜支援パッケージ」を設立し、現在横浜市内には77世帯127人のウクライナ避難民が滞在している。
★ 交流カフェ「ドゥルーズィ」(友達を意味する)は、避難民同士、また横浜市在住のウクライナ人との交流の場として機能しており、就職説明会、個別面談、支援相談窓口を提供する。また、日本語学習のサポートも行っている。
★ 横浜市は緊急支援として移動式浄水装置をオデ―サ市に提供した。これにより、水道施設が停止した場合でも市民の飲料水の確保が可能になる。加えて、厳しい冬に備えて防寒服なども提供した。
★ 講演中、ウクライナからの感謝のビデオメッセージ「横浜市の皆さん、深く感謝しています」が会場で視聴された。
★ 今年3月、オデーサ市長が来日し、横浜市とオデーサ市は復興・復旧を目的とした技術協力に関する覚書を締結した。これにより、さらなる支援に向けた協議が進行中である。
★ ウクライナ市民からの声として、8月14日にロシア軍による大規模なミサイル攻撃があったこと、その影響で銀行、幼稚園などが被害を受けたこと、最近は発電所への攻撃があり、
今年の冬に電気や水が使えなくなることへの大きな不安が伝えられた。
★ ウクライナの子どもたちからの声として、空襲警報による勉強の中断、電気が使える間に勉強しなければならない状況、歴史的な建物や教会、幼稚園などへの攻撃による心の傷が語られた。
【第二部】部大会15:00~15:30
開会点鐘・挨拶 黒川勝部長
聖書朗読(マタイによる福音書24章32~44節)
・祈祷 阿部正伴部担当主事
ワイズソング・ワイズの信条
⦅来賓挨拶⦆
≪佐竹総主事より≫
『私たちが今日直面している平和への脅威に思いを馳せつつ、YMCAは「平和を作り出す人は幸いである」という聖句を胸に、現代を生きる人々、そして未来を担う子どもたちへ、平和という重要なメッセージを広く伝えていきたい。2024年に迎える横浜YMCAの140周年は、YMCA会員の方々の献身的な支援と協力の賜物である。ワイズメンズクラブとして、YMCAの理念を共有し、未来に向けてその組織を共に育んでいくことに力を注ぎたいと思う。
また、横浜YMCAと湘南・沖縄部の間で行われる「YMCA-Y’s協議会」も次回で100回目を迎える。これまでの協議は、両者の相互理解と協力の結果であり、私たちはこの伝統を引き継ぎ、共に成長しながら平和の創造に努めていきたいと考える。今後も皆様のご支援とご協力を心よりお願いしたい。』
≪山田公平東日本区理事より≫
『世界はミャンマー、ウクライナ、パレスチナの問題に直面しており、平和が脅かされ続けています。私たちはこれらの問題について考え、募金や様々な活動を通じて貢献してきた。しかし、状況は絶えず変化しており、私たちの対応も変わらざるを得ない。ワイズメンズクラブとして、どのように進むべきかを常に問い直す必要がある。
今日の部大会での議論、特にウクライナとそこからの避難民への支援活動に関する話は、私たちにとって重要な課題である。このような議論は、私たちが自らの活動を見直し、より良い方向に進むための重要な機会を提供してくれた。
この部大会が湘南・沖縄部の活動をさらに充実させるきっかけとなることを願っている。特に、これからのミュージカルは、ワイズ運動に新しい考え方をもたらし、私たちに新たな気づきを与える機会となるでしょう。皆様の積極的な参加と支援をお願いしたい。』
≪参加者紹介があった≫
≪第27回東日本区大会 十勝・帯広市大会〈2024年6月1日〉のアピールがあった≫
【第三部】アトラクション15:30~15:45
① 紹介:小松仲史湘南・沖縄部直前部長
★ 湘南・沖縄部では新しいクラブ創設の一環として、青少年のための居場所づくりを目的にミュージカルに基づく活動を開始した。これは、ミュージカルの本場ニューヨークで活躍していた竹田美奈子さんを中心に、同じ志を持つ有志によって進められている。
★ 竹田美奈子さんは、ニューヨークで中学生や高校生を対象にミュージカルを通じた教育活動を行っていた。特に、学校に通いづらい環境にある子どもたちや、特別な支援が必要な子どもたちを対象に、彼らが世界へ羽ばたくためのサポートをしていた。この活動はYMCAの理念にも通じるもので、今回のプロジェクトに結びついた。
② 横浜クリエイティブアーツによるミニミュージカル
★ 竹田美奈子さんのメッセージ
『通常2時間半の演目を、今回は時間の制約上、短縮バージョンでお届けする。しかし、私たちが伝えたいエッセンスはしっかりと含まれているので、楽しんでいただければと思う。』
★ 演目は「ディア・エバン・ハンセン」。制作・ピアノ・監督は竹田美奈子さんが務め、演者には居林有里、田中怜緒直、十市浩司、小田切良樹、麻田燿子、鈴木杏菜、鈴木里音が名を連ねます。パーカッションは斉木駿、ギターは平林慶伸、PAは後藤洋平が担当する。
★この演目は、青少年の孤独感やアイデンティティの探求を描いた現代のミュージカル。
主人公のエヴァン・ハンセンは、高校生である彼の葛藤と、偶発的な嘘が引き起こす予期せぬ出来事を通じて、人々とのつながりの重要性を学ぶ。青少年が経験する共通の問題を表現することで、異文化間の共感と理解を促進し、多様性と異なる視点を尊重するメッセージも含まれており、国際交流のための良い枠組みを提供している。
【最後に】
上記の三部構成にて、湘南・沖縄部大会は無事に幕を閉じました。この大会は、深い洞察を提供する講演、創造的なアイデアの共有、そして心を動かすアトラクションで満たされた有意義な時間となりました。私たちは、今回の大会で得られた学びと経験を活かし、今後の活動に積極的に取り組んでいく所存です。参加者の皆様の貴重な意見とサポートに感謝いたします。