第10回横浜YMCA専門学校日本語スピーチコンテスト

2023年9月1日(金)10時より、第10回横浜YMCA専門学校日本語スピーチコンテストが開催された。会場は横浜中央YMCA9階チャペル。会場からのオンライン配信で実施。一部顧客を入れ、出場者、審査員及び関係者スタッフが会場で参加した。

第10回日本語スピーチコンテスト

≪古田和彦横浜クラブ会長 挨拶≫

横浜YMCA学院専門学校日本語学科の古田島聡美さんの司会のもと、まず挨拶に立った古田和彦横浜クラブ会長は「“言葉を学ぶこと”は、“その国の文化を学ぶこと”だと考える。日本語を学んでいる期間に、その言葉の裏にある日本文化を感じとっていただきたい。 さらに、日本の良さや改善点についての問題意識までもつようになれば、日本語を学ぶ意義もさらに深まっていくだろう。先ずは、皆様、それぞれの希望ある目標を果たせるよう、日本語を学ぶことに励んでほしい。そしてこのスピーチコンテストが、そのような皆様の希望を叶えるステップとなれば…と願っている。今日の皆様のスピーチを期待したい。」と述べた。

≪横浜YMCA佐竹博総主事 挨拶≫

次に横浜YMCA佐竹博総主事が「横浜YMCAの専門学校は『私たちの使命』に従って、以下の5つの要素を活動に取り入れ実践している:①多文化共生②ボランティア➂生命の大切さ④差別やいじめのない➄平和と国際交流。今回は学習成果の発表なので点数・順位がつくが、結果によってどこが良かったか、何に差がついたのか、新たな目標に出会うべきだと思う。新たな環境の横浜の地に来て、日本語を学び、進学や就職の志をもって日頃の生活や学校での学びから感じられることなどを題材に、皆様の考えていること、生活のことなど聴くのが楽しみだ。

このような青年たちの発表の機会を設けていただき、審査などのご協力をいただくワイズメンズの方々、また、審査、協賛、協力…等、多くの企業、団体、個人の皆様のご支援を賜り、このような会が実現できたことに心より感謝したい」と挨拶した。

≪審査員5名の紹介≫

続いて、審査員5名の紹介。恵泉女学園大学の秋元美晴名誉教授(審査委員長)、厚木クラブの佐藤節子会長、神奈川県青年国際交流機構の林恵子副会長、YCJサポーターの笹岡憲史さん、横浜クラブの齋藤宙也さんの5名である。出場者は、横浜YMCA学院専門学校と厚木YMCA健康福祉専門学校日本語科による、6つの国(バングラデッシュ、中国、ミャンマー、べナン、ベトナム、ニカラグア)の8名の留学生の方々だった。

≪最優秀賞はWINT WADI HILAINGさん≫

最優秀賞はWINT WADI HILAING

最優秀賞はミャンマーからの留学生、WINT WADI HILAINGさんで「ネジ」と題して語った。「中学生の夏休み、家族で母の実家の小さな村へ軽トラックで向かっていたが、突然車が止まった。道の周りには象などの生動物が出没するような危険な場所での立ち往生。エンジンや大きな車の部位には問題なかったが、1つの車輪の小さなネジが5つ必要な所で2つしかないのが原因だった。小さなネジでもどんなに役にたっているか……。最終的に他の車輪の小さなネジから都合つけて何とか車は動き、小さなネジのお陰で危険な森から脱出できた。

父の次の言葉は今でも心に響き自分の人生に影響を与えている。『小さなネジは大きなものではないけど、合わせると力になる……』“力はそんなにもっていなくても、自分が出来るだけ努力すれば、他の誰かの役に立てるようになる”ことを父の言葉から理解できた。

大学で日本語を学び日本への留学の道を選んだ。日本の大学で国際関係について学び自分の国で教師として働きたい。若い人の為に留学のチャンスが出来るだけ与えられるようにしたい…。そして私も、あの小さなネジのように、一人の教師として、自分の国がいつか世界の舞台で走れるように、精一杯貢献したいと思う。」

≪横浜YMCA専門学校日本語スピーチコンテスト動画配信≫

他の発表者のスピーチ内容は、ぜひ下記を検索してご視聴いただきたい。

第10回 横浜YMCA専門学校日本語スピーチコンテスト

≪審査委員長 講評 恵泉女学園大学 秋元名誉教授の総評≫

恵泉女学園大学の秋元名誉教授は、閉会式で「皆様、今日はそれぞれのテーマで一生懸命に頑張ってスピーチなさいました。こういう素晴らしい機会に、皆様のいろいろなお話を聴かせていただき、大変楽しかったし勉強になりました。前日から事前に皆様それぞれのテーマを拝見しながら、どういう内容を話されるのだろうか?と考えておりました。特に「ネジ」について、今日のスピーチで理解できました。今回の皆様の点数はほとんど差がなく、全員素晴らしい出来でした。皆様の今回の日本語スピーチの経験が次への良きステップになればと願っています。」と講評された。

≪佐藤節子厚木クラブ会長 挨拶≫

最後に、佐藤節子厚木クラブ会長は、「以前の私は人前で話すのが苦手だったが、今はそれを克服できた。これまで心に留めてきた『過去は感謝、現在は勇気、未来は希望』の言葉を皆様の新たな出発に向けて贈りたい。」との閉会の辞をもって、11時半に会を閉じた。

≪結びに≫

この日本語スピーチコンテストは、2013年度から始まり、コロナの影響を受けながらも、10回目を迎えることができた。

留学生の皆様が日頃考えていることや、夢、文化の違い、母国の話、家族のこと……等のテーマで日本語を使ってしっかり語ったを。それぞれの留学目的達成の為、日本語の学びに真剣に取り組んでいる姿には感銘を覚える。また異国での暮らしでの戸惑いや不安の姿も伝わってきた。より積極的に国籍や民族などの異なる人々との交流を通して、出来るだけの

手助けをしながら、『共に生きていく平和な地域社会』を目指したいものだ。

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≪(交流会)12:45~13:4512:45~13:45

日本語スピーチコンテスト(2023年9月1日〉

午前中に、留学生の皆様が一生懸命に日本語を使ってスピーチをされたことは、私たちに深い感銘を与えました。それぞれの方が伝えた貴重なメッセージは、私たちの心に強く響きました。スピーチの準備と発表への努力に対し、敬意を表します。その後、私たちは皆でリラックスし、楽しい交流の時間を過ごしました。