2025年7月18日(金)、「第12回横浜YMCA専門学校 日本語スピーチコンテスト」が厚木市文化会館小ホールにて開催されました。本コンテストは横浜YMCAカレッジグループ主催、横浜ワイズメンズクラブと厚木ワイズメンズクラブの共催によるもので、10名の留学生が日頃の学習成果を披露しました。
開会に際して、厚木ワイズメンズクラブの佐藤節子会長より、「梅雨明けが発表された暑い中での開催となりましたが、出場者のスピーチ題名を拝見してユーモアや真理、アジア的視点など、多様な内容が予想され、私たちも楽しみにしてきました。留学生の皆さんの日頃の努力と練習の成果が本日発揮されることを期待しています」と温かい挨拶がありました。
続いて横浜YMCAの佐竹博総主事は、「横浜YMCAは平和で公正な社会実現を目指し、『異文化理解』『共生社会』『命の尊さ』を掲げています。専門学校ではこれらを実践的に学び、留学生同士が仲間として助け合い、平和な関係を築いています。本日のスピーチを通じて、日頃の生活や学びから感じたことを共有し、新たな目標を見つけていただければ」と激励の言葉を述べました。
審査員として、横浜ワイズメンズクラブかながわ部の兵頭芳郎部長、厚木ワイズメンズクラブの佐藤節子会長、神奈川県青年国際交流機構の狐崎美恵子様、YCJサポーターの田中和生様、恵泉女学園大学名誉教授の秋元美晴様の5名が紹介されました。
【スピーチコンテスト講評(秋元美晴様が審査員を代表して)】
各スピーチの内容や特徴について講評し、特に異文化から見た日本についての多様な視点が印象的だったと述べられました。ユーモアにあふれたテーマから心に深く響くテーマまで多彩なスピーチがあり、日本のトイレ文化、女性専用車両、ミャンマーからの参加者による家族への深い愛情を表現したスピーチなどが特に印象深かったと評価されました。さらに秋元様は、YMCAの日本語教師たちの教育方針と指導力を称え、多くの留学生が「日本人は優しい」と感じるのは、教師たちの国際理解教育によるものだと述べました。
【東京から参加された為我井輝忠ワイズの感想(懇談会にて)】
東京YMCAと東京多摩スマイルクラブに所属する為我井輝忠ワイズは、最近ネパールに3週間滞在し、小学校で英語や日本の折り紙を教える貴重な体験をされました。今回のスピーチコンテストでは、短期間で日本語を習得した留学生たちの語学力に感銘を受け、「参加者の皆さんが日本での生活を充実させ、将来のキャリアや母国での活躍につなげてほしい」と激励の言葉を述べられました。
【閉会挨拶】 閉会の挨拶は横浜クラブ齊藤宙也会長の予定でしたが、都合により欠席されたため、古田直前会長が代読しました。
「本コンテストは優劣を競うだけでなく、互いに刺激し合い、日本と世界の架け橋となる重要な機会です。参加者の皆さんには今後も多くを学び、夢に向かって前進してほしい」とのメッセージが伝えられました。
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日本語スピーチコンテストは留学生の国際理解を促進し、日本での生活体験や学習成果を共有する貴重な場となっています。主催・共催団体、協賛企業、関係者の皆様のご協力のもと、今年も意義深いイベントとなりました。
【追記:心に響いたスピーチ紹介】 今回のコンテストで私が特に心を動かされたのは、ミャンマー出身のエー・サンダート・トウンさんのスピーチ「心の中で生きているお父さん」です。トウンさんは父親が家族のために懸命に働き、深い愛情を注いでくれていたことに、生前は気づけなかったと語りました。そして5年前に父を亡くして初めてその想いに気づき、伝えられなかった後悔を抱き続けていました。父がよく言っていた「新しいことを学び、人生の課題に立ち向かいなさい」という言葉を胸に刻みながら、日本で挑戦を続けています。このスピーチコンテストという場で、トウンさんは父への尽きることのない愛情と感謝を涙ながらに語り、会場全体が深い感動に包まれました。コンテストの結果よりも、心の底にある素直な気持ちを皆の前で勇気を持って伝えたその姿に、きっと天国のお父さんも喜ばれたことだろうと私は強く感じました。(古賀健一郎)